マンガ「左ききのエレン」感想


はじめに

 ここでは、マンガ「左ききのエレン」を読んだ感想について書く。



左ききのエレンとは

 「左ききのエレン」は広告代理店のデザイナーである光一を中心とする群像劇。

 何者かになりたいという夢を持つ光一、天才的な画家であり光一のライバルであるエレン、 すでにファッションの世界で脚光を浴びる岸姉妹など、様々な人たちが登場する。 ちなみに、群像劇とは『登場人物一人一人にスポットを当てて集団が巻き起こすドラマを描くスタイルの劇のこと』 (引用:群像劇(ぐんぞうげき)の意味や読み方 Weblio辞書、2020/08/04)。 群像劇の意味をさっき初めて知った。


読んだきっかけ

 読んだきっかけは「少年ジャンプ+」でランキング上位にあったこと。 最近あまりマンガを読んでいなかったので、 ランキングに載っている作品をちょこちょこ読んでみた。 そうしたら左ききのエレンにたどり着いた。


おすすめポイント

 私がこの作品をおもしろいと思ったポイントは、 細かいところまでしっかりと話が練られていること。 テーマ性、ストーリー、登場人物、どれをとっても完成度が高くて驚いた。 こんなに面白い話があるならもっと早く出会いたかった。 一つの作品として高いレベルで完成されているので、誰が読んでも面白いのではないかと思える。


感想

 まず、第一に面白い。 100話分くらいを一気に読み切ってしまったくらいに面白い。 しかも、まだ読み足りない。 最初は「何だ、このタイトル?」くらいの気持ちで読み始めたのだが、 今ではこの作品に出会えて本当に良かったと思っている。

 「左ききのエレン」のテーマは「夢を持つ人」かなと思う。 作品の中で、才能を持っている人と持っていない人が、 ハッキリと分かるように区別して描かれていた。 そして、才能を持っていない人が夢を諦めていくシーンもあった。 しかしだからといって、才能を持っている人が必ずしも成功するとは限らず、 才能ある人も同じように挫折していく描写もある。 ではそんな中で何が大切なのかというと、 ありきたりな表現になってしまうが「夢を持っているかどうか」なのだと思う。 夢を持ち続けている限り心は折れない。

 この作品の魅力は何といっても濃厚なストーリー。 この作品は群像劇であり、主人公の光一やエレンだけではなく、 登場する人物の一人ひとりにスポットが当てられる。 その一つ一つの物語がしっかり細かいところまで練られていて、 この作品の完成度の高さを思い知らされた。 また、広告代理店のデザイナーとしての仕事内容なども具体的に描写されており、 より現実感を持って作品に没入できる。

 その他に、この作品の特徴として、魅力的な人物が数多く登場することがあげられる。 主人公の光一は自分の才能を発揮して有名になりたいと思っていたが、 同級生のエレンに天才ぶりを見せつけられて心が折られる。 その他にも岸姉妹や先輩の神谷など、 自分とは違う圧倒的な才能を持つ人間と光一は出会っていく。 そんな様々な出会いの中で光一は挫折を繰り返すが、 ギリギリのところで耐える。 自分の夢のために努力する光一は誰の目にも魅力的に映るはず(たぶん)。 また、その他の人物もまたしかり。 それぞれの人物に深いバックストーリーがあり、 各々が何を考えて行動しているのか、 しっかりと根拠が提示されている。 そのため、読者の登場人物に対する感情移入も強くなっていく。

 私のお気に入りのキャラクターはエレン。 エレンは圧倒的才能を持った絵描きであるが、 天才タイプによくいる孤高の存在ではなく、 孤独になるしかなかった存在。 しかし、エレンは他人に興味がないわけではなく、 人一倍他人を気に掛けている。 自己中心的な考えを持ってはいるが、 心の無い人間ではないのだ。


おわりに

 「左ききのエレン」の感想を書いた。 たまたまランキングで見つけて読むことになったが、 なかなかに面白い作品だった。 続きを読みたい。


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